■臨床研修指定病院における取り組み


症例レポート(退院サマリー)考察の書き方 
                  済生会滋賀県病院 中村隆志(プログラム責任者)


作成されたレポートを拝見しましたが、考察が乏しい場合が多く見受けられます。成書からとったものではありませんが、「もしも今、私が研修医だったら・・・・」と考えると以下のような角度からテーマ設定が可能と思えます。症例に応じていくつかポイントと思われるものを組み合わせると考察内容が豊富になると思います。済生会病院で作成した、症例レポートの考察の着眼点を示します。

考察の着眼点
1)診断:鑑別診断と診断の決め手、診断基準のあるものでは、どの診断基準を採用したか

2)病像の定型・非定型:副傷病、合併症、加齢など生物医学的問題による病像の修飾


3)重症度分類や病型分類のある疾患では決定の根拠、その場合の予後や治療方針の差

4)パスのある疾患ではどのパスを用いたか、バリアンスはなかったか


5)治療の選択肢:その治療を選択した理由と他の治療の比較(メリット、デメリット、有効率)

  治療ガイドラインのある疾患では、どのガイドラインを採用したか

6)標準またはガイドラインに沿わなかった場合、治療の逸脱やオプション採用の理由、
たと
  えば倫理的問題や患者・家族の希望の尊重など


7)治療に対する反応が予想通りか? 予想通りでなかった理由

) 患者の個人的な問題:生活歴、性格、理解力、家族関係などで予後や病像を左右しうる
  ものとその対策


) 患者のADLQOLに関する考察、今後の見通し


10)
外来での治療方針、経過観察のポイント

11
)診断・治療の反省点

  本来これらはレポートを書くためというより患者を診療するときに、常に意識してほしいことでもあるので、カルテや退院サマリーにも記載されるべき内容です。一方、感想などを書く必要はありません。臨床研修は手技や実務を覚えることも大事ですが、臨床的センスを磨くことも必要で、頭の柔らかいうちに多角的に分析する癖を叩き込んでおくほうがよいと思います。皆さんのレポートを読ませていただいて、最も力を入れてほしい点として要望します。

  診断基準、分類、ガイドラインのあるものはその出典も記載してください(何年の・・・、何学会の・・・、あるいは提唱者の氏名)




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