高齢の心臓手術患者さんや急性心筋梗塞患者さんの調査では、家族から愛されていると感じているほうが、生命予後がよかったというデータがあります(下図)。家族の面会の回数が多い患者さんは回復が早く、早く退院するというデータもあります。私はよくこれらのデータを例にして、家族の努力をねぎらい、勇気づけることにしています。付き添いや面会は患者さんへのサポートであり、広い意味での治療行為といえます。最大限の敬意と気配りを示しましょう。特に狭い病室で一晩付き添っておられた場合など「さぞお疲れでしょう、何かお困りのことはありませんでしたか」と言葉をかける習慣が大切です。
外来では同伴者へのねぎらいを診察の最後に行ってもいいでしょう。高齢者ではしばしば同伴者がいて、支障がない限り診察に立ち会ってもらいます。家族が自分の時間を割いて付き添ってきたことに対して「今日はご苦労様でした」の一言で、自分の診療に対する信頼感を高める効果があります。当院は公共交通機関の便が悪く、高齢者では家族が自家用車で送迎しないと通院できない方が多いので、治療の継続性確保のためには気持ちよく家族に送迎してもらうことも大切です。
最近はヘルパーさんが連れて来ることもありますが、同様に振舞うことでヘルパーさんの協力を得やすくなります。ヘルパーさんのように施設と家庭の両方に出入りする立場の方はその地域の細かな情報を握っており、そこから病院の情報、医師の情報が地域へと漏れ出てゆきます。
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